2020年のグローバル・クレジットについては楽観的な見方をしており、スプレッドは安定的に推移または小幅に縮小すると予測している。
中央銀行の政策ミスと政治面の不透明感という2つの組み合わせは、それまでの約10年間にわたるグローバル株式市場の強気相場を2018年末までにあやうく終わらせるところだった。
上記は、地球の真裏にある国チリで抗議の行進で使われていたプラカードに記されていたスローガンだ。これほど強烈な内容ではないが、現在の投資環境は、ただでさえ低い金利がさらに低下し、インフレ率が低位に推移し、そして経済成長率が低迷しており、このスローガンは現在の投資収益率見通しにも当てはまる。
投資は決して簡単ではない。国内政治や国際関係が深刻な分裂状態にあるなかで、それらの先行きを予測することが極めて重要である今日では、尚更と言える。
新興国債券市場のパフォーマンスは2年にわたって良好に推移した後、2018年に低迷したが、これは多くの投資家にとって想定外であった。
2019年は、ほとんどのアジア諸国の中央銀行が金融緩和政策を採用したおかげで、アジアの現地通貨建て債券は力強いラリーを見せた。
アジア諸国のマクロ経済環境は引き続き安定している。GDP成長率は中国や香港を筆頭に伸び率が鈍化する可能性があるものの、政策面での追い風があることおよびデフォルト率の上昇が世界平均と比較して緩やかとなっていることが、2020年のクレジットのパフォーマンスを下支えするだろう。
2020年の世界経済は、低成長率とはいえ健全さを保つと考える。2018年に2016年の低迷からの反動で比較的高い成長を実現した先進国は、2019年に減速した。
11月の米国債市場は、貿易面での楽観ムードを受けて月初に利回りが上昇した。
11月も引き続き、米中通商協議の一進一退と両国による通商協定「第1段階」の合意期待に市場のムードが大きく左右された。
1年前、市場は崩壊状況にあったが、これはクリスマス休暇を迎える時期としては異例であった。2018年12月には貿易戦争が休戦に入るとともに米FRB(連邦準備制度理事会)が幾分ハト派色を強めたものの、市場は世界的なリセッション(景気後退)を急速に織り込んでいった。
当社ではボトムアップによる銘柄選択の観点から、中国株式に対して楽観的な見方を維持している。米中貿易戦争に関する地政学的な懸念が引き続きボラティリティを高める可能性がある一方で、当社では政策が追い風となる株式、内需主導型の力強い収益性を持つ株式、クオリティーの高い事業を持つ株式に引き続き注目している。
2019年は、ほぼすべての資産クラスが高リターンを達成した年として振り返られることになりそうだ。その原動力となった要因としては、各国中央銀行が金融政策を急転換してハト派的な姿勢を強めたことに加え、世界的な景気後退懸念が和らいだこと、米中間の貿易合意間近との期待が高まったことなどが挙げられる。
日興アセットマネジメントのグローバル株式チームでは、投資哲学の中心を企業における「フューチャー・クオリティ」の探求に置いている。
2019年の世界や日本のマーケットは、2018年末にあった景気後退懸念の払拭から始まり、総じて好調だった。
政府は大型の経済対策(事業規模26兆円程度、財政支出13.2兆円程度)を閣議決定しました。
10月は、中国と米国が貿易協定の「第1段階」について暫定的な合意に達したとのニュースを受けて、市場のリスク・センチメントが一段と改善した。また、ハード・ブレグジット(英国がEU離脱を同連合との合意なしに強硬的に行うこと)の確率が低減されるとともに、米FRB(連邦準備制度理事会)が予想通り今年3度目となる利下げを実施した。このような環境下、米国債は最終的に利回りが上昇し、10年物が1.69%で月を終えた
10月のアジア株式市場(日本を除く)は、米中貿易協定の部分的合意への期待が高まったこと、米FRB(連邦準備制度理事会)が0.25%の追加利下げを実施したことが追い風となり、勢いを増して続伸した。
世界金融危機後の期間における米国経済のパフォーマンスが素晴らしいものであることは間違いない。10年の景気拡大期において、2015年第2四半期に4%でピークをつけた年間実質GDP成長率は平均が2%を超えた。
株価指数の行方について考えるとき、経済予想との関係についても知っておきたい。市場を経済全体で語るのであれば、GDPと株価指数はどのように関係しているのか、ざっと理解しておく必要がある。
2017年に開催された中国共産党第19回全国代表大会で、習近平国家主席は「中国は世界への扉を閉ざすことはなく、市場開放を進めるのみである」と述べた。
いまでも「新興国(エマージング)」は、米国金利が上がっても下がっても、原油や資源価格が上がっても下がっても大丈夫なのか、などと質問を受ける。
米中貿易戦争は8月に入って激化し、2大経済大国による報復関税発動の応酬は制御不能の様相を呈した。しかし、最近になって米国政府と中国政府が休戦に合意したことにより、ここ数週間で新興国を含む世界市場の見通しは著しく改善している。
9月の米国債市場は、投資家のリスク選好意欲が再び高まったことから利回りが上昇した。当初、米中貿易問題における展開をきっかけとして回復したリスクオン・ムードは、その後、世界の主要中央銀行が追加金融緩和を実施したことで支えられた。
10月9日から11日にかけて米国ワシントンを訪問し、国際機関や米国政治の専門家などとミーティングする機会を得た。対話内容の詳細について述べることはできないので、以下では、筆者の意見として記す。
9月のアジア株式市場(日本を除く)は、前月の急落から回復を見せてポジティブなムードで月を終え、月間リターンが米ドル・ベースで1.7%となった。
世界金融危機後の期間における米国経済のパフォーマンスが素晴らしいものであることは間違いない。10年の景気拡大期において、2015年第2四半期に4%でピークをつけた年間実質GDP成長率は平均が2%を超えた。
債券はバブルか?という質問に直接答えることは難しい。ただし、現状の低金利状態について、ひどく悲観的な経済成長率予想が背景にあるとは思えない。その意味で心理的な酩酊状態から来るバブルとは呼べないのではないか。
トランプ米大統領の弾劾調査が、野党・民主党が多数派である下院で行われる。内部告発者は、米大統領がウクライナ大統領との電話協議において、2020年の米大統領選挙で自分が有利になるような発言を行ったことが法的に不適切だと考えた。
8月の米国債市場は価格が上昇した。月初は、米中間の貿易をめぐる緊張の高まりと人民元の下落を受けて、リスク資産市場が概して下落した。
8月のアジア株式市場(日本を除く)は、一時的な休戦状態にあった米中貿易戦争が再燃し両国が新たな追加関税合戦を繰り広げるなか、月間リターンが米ドル・ベースで-4.4%となった。
2017年7月、2018年9月に続きフランスを訪問し、PRI(Principles for Responsible Investment、責任投資原則)のコンファレンスへの参加、さらにフランス政府の国債庁でヒアリングする機会を得た。
市場は常に多くの相反する見方を生み出してきたが、8月は特に乖離の大きい展開が見られ、債券では利回りの急低下が世界的な景気後退を予言している様相となる一方、株式は比較的良好な見通しを映し出した。
円高を恐れる投資家の声をよく聞く。一方で、そもそも円高とは何か、円高は悪いことなのか、との質問もいただく。
株式や債券など、複数の資産を組み合わせる時に金を含めることがある。この場合、できるだけ保有資産全体のリスクを減らし、安定的なパフォーマンスを目指す目的で利用されることが多い。
新興国市場の資産価格を左右する主な材料として、外部環境が国内のファンダメンタルズを圧倒することはよくある。足元では、外部金融環境の緩和が新興国市場に追い風を起こしている。今回、不確実要素となっているのは断続的な貿易戦争で、これが今やサプライチェーンを変化させており、この影響は貿易協定が締結されるか否かにかかわらず今後も継続すると考えられる。
7月のアジア株式市場(日本を除く)は利食い売りが先行して下落し、月間リターンが米ドル・ベースで-1.8%となった。域内の経済および製造業指標・統計が事前予想を下回ったことに加えて、世界経済の鈍化懸念が高まったことが、アジア株式の重石となった。
7月は、好調な米国経済指標を受けて、将来予想される米FRB(連邦準備制度理事会)の利下げの度合いに対する市場の期待が後退したことに伴い、米国債利回りが上昇した。
今年、市場の注目が集まっている問題は、米中貿易交渉と米FRB(連邦準備制度理事会)の政策の2つだ。貿易戦争に関しては過去数ヵ月にわたって幾度となく言及してきたので、今回はFRBの政策、特に同中銀の独立性について考えを述べてみたい。
7月29 日~8月2 日に、ドイツのフランクフルトとデンマークのコペンハーゲンを視察する機会を得た。各地で中央銀行(ECB(欧州中央銀行)とデンマーク国立銀行)や民間エコノミストなどの見方に接したが、以下の内容は、筆者の総合的な感想としてお伝えする。
EU(欧州連合)の銀行規制は、関わる利害関係者の数が多く、一方からは欧州議会および欧州委員会が、もう一方からは各国の議会および規制当局が力を及ぼそうとする結果、非常に複雑なものとなっている。
先日、FRB(米連邦準備制度理事会)が10年半ぶりの政策金利引き下げを行うなど、世界的に低金利環境が続きそうだ。その中で、REIT(不動産投信)の相対的魅力が注目されている。まずは、REITの商品性を知ることが重要だ。
先日、ICGN(International Corporate Governance Network)の総会が東京で行われ、パネル討論のセッションに参加した。パネル討論では「グローバル化が進む日本:スチュワードシップ・エンゲージメントを効果的にする-グローバル、ローカル、文化間の観点から」という趣旨の議論を行った。
6月のアジア株式は、米FRB(連邦準備制度理事会)による利下げ期待や米中間の貿易交渉再開が支援材料となり、リリーフ・ラリー(安堵感からの相場上昇)を見せた。
最近の報道で、「予防的利下げ」という言葉を聞く機会が増えた。今回は、何が予防的で、何が投資に関係あるのか、について考えてみる。結論は、長期投資する前提では、サイクルに関与するだけでしかない中央銀行の政策についてあまり気にする必要はないと考えている。
当月は月を通じてリスク選好度が強まる展開となったが、その背景にあったのは、G20大阪サミットにおけるトランプ大統領と習国家主席の首脳会談によって米中の貿易協議が軌道に戻るとの期待の高まりだった。
6月の米国債市場は価格が上昇した。月初、経済指標が雇用拡大ペースの減速を示したのに加え、貿易に関して悲観的なムードが広がったことから、米国債利回りは押し下げられた。
オーストラリアのRMBS(住宅ローン担保証券)は、一貫したインカム創出を伴う高格付け資産である。この証券を目にした時にすぐに思い浮かぶ疑問は2つある。どれくらいのリスクがあるのか、そしてどのようにプライシングされるべきかということだ。
G20大阪サミットを機に米中首脳会談が行われ、米国による対中制裁関税第4弾の発動が先送りされたことで、市場に安心感が広がった。さらに、米国企業によるファーウェイへの部品販売を一部容認する姿勢を示したことから、テクノロジーに関する米中覇権争いの緩和期待も膨らんでいる。
5月上旬、市場の信頼感は急速にパニックへと転じた。トランプ米大統領が5月10日正午までに中国からの輸入品(2,000億米ドル相当)に対する関税を10%から25%へ引き上げると警告して(またしても)世界に衝撃を与え、間近と思われた貿易協定締結への期待が打ち砕かれたからだ。