債券

Investment Insights by our experts and thought leaders

On the ground in Asia 2024年3月

月初には主要中央銀行の声明などを受けて米国債利回りが大幅に低下した。発表された米国のインフレ指標が底堅さを示したことを受けて、ドットチャート(政策金利見通し)が上方修正されるかもしれないとの懸念が広がるなか、債券利回りは反転上昇した。その後公表された米FRB(連邦準備制度理事会)高官による最新の予測では、引き続き2024年内に3回の利下げを見込んでいることが示された。

On the ground in Asia 2024年2月

米国経済が引き続き底堅く推移していることを受けて、投資家のあいだでは米FRB(連邦準備制度理事会)の早期利下げ観測を修正する動きがさらに進んだ。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.411%上昇の4.62%、10年物の指標銘柄で同0.338%上昇の4.25%となった。

On the ground in Asia 2024年1月

昨年10月中旬以降、大幅に低下してきた米国債利回りは、米FRB(連邦準備制度理事会)が利下げは当面ないと示唆したことを受けて、投資家のあいだでFRBによる早期利下げ開始への期待を修正する動きがみられたため、1月は反転上昇した。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.042%低下の4.21%、10年物の指標銘柄で同0.033%上昇の3.91%となった。

On the ground in Asia 2023年12月

12月の米国債市場は、発表された様々なデータを受けて米FRB(連邦準備制度理事会)が2024年に利下げに踏み切るとの市場の見方が引き続き支えられるなか上昇した。FRBは、12月に3会合連続でFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を据え置き、また2024年に3回の利下げを行うことを示唆した。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.431%低下の4.25%、10年物の指標銘柄で同0.447%低下の3.88%となった。

On the ground in Asia 2023年11月

11月の米国債市場は、様々な指標が景気減速を示唆する内容となったことや、タカ派とされる米FRB(連邦準備制度理事会)の理事が金融政策引き締めへの積極的な姿勢を後退させる可能性を示唆したことを受けて上昇した。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.407%低下の4.68%、10年物の指標銘柄で同0.604%低下の4.33%となった。

On the ground in Asia 2023年10月

当月の米国債利回りは大きく変動し、経済指標が引き続き米国経済の底堅さを示したことを受けて、米国債10年物の利回りは16年ぶりの高水準となる5.02%へと上昇した。

On the ground in Asia 2023年9月

9月の米国債市場は、利回りが上昇を続けるなかイールドカーブがスティープ化した。原油価格の上昇を受けてインフレが継続するとの懸念や高金利の長期化が、米国債市場低迷の主な要因となった。

On the ground in Asia 2023年8月

8月の米国債市場は、米国の経済成長が底堅く推移している兆しが強まったことや資金調達ニーズが高まっていること、格付け機関フィッチレーティングスが米国債の格付けを引き下げたことを受けて、月初に下落した。

On the ground in Asia 2023年7月

米FRB(連邦準備制度理事会)は、7月に開催した会合で0.25%の利上げを実施し、政策金利の誘導目標レンジを5.25~5.50%へと引き上げた。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比0.021%低下の4.88%、10年物の指標銘柄で同0.122%上昇の3.96%となった。

On the ground in Asia 2023年6月

6月の米国債利回りは比較的狭いレンジで推移し、短中期部分がアンダーパフォームした。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比0.495%上昇の4.90%、10年物の指標銘柄で同0.193%上昇の3.84%となった。

On the ground in Asia 2023年5月

5月は米国債のイールドカーブが総じて上方にシフトし、月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.397%上昇の4.41%、10年物の指標銘柄で同0.222%上昇の3.65%となった。

On the ground in Asia 2023年4月

4月の米国債利回りは比較的小幅なレンジで推移し、中期債がアウトパフォームした。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比約0.02%低下の4.01%、10年物の指標銘柄で同0.05%低下の3.43%となった。

現地通貨建てアジア債券の耐性と魅力

現地通貨建てアジア債券は、インフレ減速を背景に域内各国の中央銀行が利上げサイクルを終了するのに伴い、好パフォーマンスが予想される。良好なファンダメンタルズ、質の高さを伴う利回り、低い外国人保有比率といった他の要素も、この債券資産クラスの追い風になると考える。

On the ground in Asia 2023年3月

3月の米国債市場はボラティリティの高い展開となった。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.79%低下の4.03%、10年物の指標銘柄で同0.45%低下の3.47%となった。

銀行界の世界的な混乱がアジアに及ぼす影響

3月上旬、米国のシリコン・バレー銀行(SVB)が突然破綻したことで、投資家はこの破綻が世界中の銀行に波及する兆候の有無を固唾を呑んで見守った。このことは、クレディ・スイス(CS)など、世界の大手銀行の株式、債券の売却を誘発した。CSの問題は、同行の年次報告書の公表直前に米国の規制当局が過年度の財務諸表に関する照会を行い公表延期になったことを契機に一気に深刻化した。

On the ground in Asia 2023年2月

2月の米国債市場はイールドカーブ全体にわたって利回りが大幅に上昇し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比0.62%上昇の4.82%、10年物の指標銘柄で同0.41%上昇の3.92%となった。

On the ground in Asia 2023年1月

1月の米国債市場は利回りが低下し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比約0.226%低下の4.203%、10年物の指標銘柄で同0.366%低下の3.511%となった。

On the ground in Asia 2022年12月

12月の米国債市場は利回りが上昇し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比約0.12%上昇の4.43%、10年物の指標銘柄で同0.27%上昇の3.87%となった。

On the ground in Asia 2022年11月

11月の米国債市場は利回りが概して低下し、月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.173%低下の4.312%、10年物の指標銘柄で同0.443%低下の3.607%となった。アジア諸国の10月のインフレ圧力はまちまちとなった。マレーシア、インドネシア、韓国、フィリピンの中央銀行は11月に政策金利を引き上げた。

On the ground in Asia 2022年10月

10月の米国債市場は利回りが上昇し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比0.205%上昇の4.485%、10年物の指標銘柄で同0.218%上昇の4.050%となった。アジア諸国の9月のインフレ圧力は概して高止まりした。当月は、MAS(シンガポール金融通貨庁)が為替政策の引き締めを実施するとともに、インドネシアと韓国の中央銀行が主要政策金利を引き上げた。

On the ground in Asia 2022年9月

9月の米国債市場は利回りが上昇した。月末の利回り水準は2年物で前月末比0.786%上昇の4.281%、10年物で同0.637%上昇の3.832%となった。アジア諸国のインフレ圧力は8月も総じて高止まりした。当月は、マレーシア、タイ、インド、インドネシア、フィリピンの中央銀行が主要政策金利を引き上げた。また、フィリピンやインドネシア、タイの金融当局はインフレ予想を引き上げた。

On the ground in Asia 2022年8月

8月の米国債市場は、利回りが上昇するとともに短・中期債がアンダーパフォームした。利回り上昇の要因には、失業率が小幅に低下するなど米国の雇用統計が良好な内容となったことや、ドイツ国債の利回りが上昇したことが挙げられる。米FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長からは、インフレ抑制に向けて「金融政策手段を強力に行使する」との公言を含め、タカ派的な発言がみられた。月末の利回り水準は2年物で前月末比0.608%上昇の3.495%、10年物で同0.543%上昇の3.195%となった。

アジアのハイイールド社債:市場環境と見通し

2022年6月までの12ヶ月間、アジアのクレジット市場は、信用スプレッドの拡大と米国債利回りの大幅上昇を受けて、トータルリターンが-12.8%となった。 同期間におけるアジアのハイイールド社債は、信用スプレッドの拡大が約2.91%に及んでトータルリターンのマイナス幅が30.4%に至った。

On the ground in Asia 2022年7月

7月の米国債市場はイールドカーブがフラット化して長短金利が逆転した。米FRB(連邦準備制度理事会)は0.75%の利上げを行い、ECB(欧州中央銀行)も月半ばに市場予想を上回る0.5%の利上げを実施した。その後、ジェローム・パウエルFRB議長の発言と米国経済のマイナス成長を示したGDP(国内総生産)を受けて、米国債利回りは低下した。

On the ground in Asia 2022年6月

6月の米国債市場は利回りが上昇した。米FRB(連邦準備制度理事会)が0.75%の利上げを実施する一方、ECB(欧州中央銀行)は7月に資産購入プログラムを終了し利上げを開始すると発表した。米国ほか先進国の経済指標が発表されると、リセッション(景気後退)に陥るのではとの懸念が浮上した。

On the ground in Asia 2022年5月

5月の米国債市場は、米国におけるCPI(消費者物価指数)インフレの鈍化、国内株式市場の下落、経済成長懸念の再燃を受けて利回りが低下した。月末の利回り水準は2年物で前月末比0.159%低下の2.559%、10年物で同0.091%低下の2.847%となった。

On the ground in Asia 2022年4月

4月の米国債市場はイールドカーブ全体で利回りが上昇した。月初に公表された3月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録がタカ派的な内容だったことをきっかけに、続いて総合CPI(消費者物価指数)上昇率が加速したことや米FRB(連邦準備制度理事会)のガイダンスがタカ派色を強めたことも、利回りの上昇を促した。

On the ground in Asia 2022年3月

3月の米国債市場は、米FRB(連邦準備制度理事会)がインフレ抑制への決意を示したことを受け、イールドカーブ全体にわたって利回りが上昇するとともに短期債が長期債をアンダーパフォームした。月末の米国債利回りは、10年物が前月末比0.514%上昇の2.341%となったのに対し、2年物が同0.902%上昇の2.337%となった。

On the ground in Asia 2022年2月

2月の米国債市場は利回りが上昇し、月末の水準は2年物で前月末比0.255%上昇の1.43%、10年物で同0.048%上昇の1.83%となった。

米FRB:迫りくる利上げ開始

米FRBが引き締めサイクルをより積極化させるとの見方の強まりを受けて、米国債は売り込まれた。このことは投資家にとって2022年のこの先何を意味するかという点について当チームの見解を紹介するとともに、アジア債券市場の見通しについて議論していく。

On the ground in Asia 2022年1月

1月の米国債市場は、米FRB(連邦準備制度理事会)が引き締めサイクルを積極化するとの見方が強まったことを主因に利回りが上昇し、月末の水準は2年物で前月末比0.445%上昇の1.18%、10年物で同0.267%上昇の1.78%となった。

On the ground in Asia 2021年12月

12月の米国債市場は利回りが上昇し、月末の水準は10年物で前月末比0.066%上昇の1.51%となった。アジアの大半の国では、供給の不足を受けて11月のインフレ圧力が引き続き高まりを見せた。当月、アセアン諸国の中央銀行とインド準備銀行は政策金利を据え置き、自国景気の回復を持続させるべく緩和的環境を維持することとした。中国人民銀行は、RRR(預金準備率)と1年物LPR(「ローンプライムレート」、最優遇貸出金利)を引き下げ、一方で外貨RRRを2.00%引き上げた。その他、中国共産党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会は、2022年の経済における最重要課題として「安定」を強調した。

On the ground in Asia 2021年11月

11月の米国債市場は利回りが低下し、月末の米国債利回りは10年物で前月末比0.108%低下の1.45%となった。アジアでは、10月のインフレ圧力がフィリピンを除くほとんどの国で高まった。域内諸国の第3四半期のGDP(国内総生産)は、当該期間における新型コロナウイルス感染者数の増加を受けて前年同期比の成長率が鈍化した。

アジア債券 On the ground in Asia 2021年10月

10月の米国債市場は前月に続いて利回りが上昇した。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.222%上昇の0.499%、10年物で同0.067%上昇の1.555%となった。中国、韓国、シンガポールでは、2021年第3四半期の経済成長が鈍化を示した。一方、MAS(シンガポール金融通貨庁)は為替政策における自国通貨高誘導の「傾き」(上昇ペース)を引き上げ、またRBI(インド準備銀行)は金融システムから過剰流動性を吸収した。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年9月

9月の米国債市場は、米FOMC(連邦公開市場委員会)で資産購入の緩やかな縮小がついに11月にも開始されると示唆されたことを受けて、利回りが上昇した。エネルギー価格が急騰している最中に欧州や中国で電力不足がエスカレートしインフレ懸念を駆り立てたことも、利回り上昇を一層促した。一方、中国における停電の発生や恒大集団(Evergrande Group)破綻の可能性に脅かされて同国の経済成長見通しに対する不安が強まったため、リスク・センチメントが悪化した。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.067%上昇の0.28%、10年物で同0.178%上昇の1.49%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年8月

8月の米国債市場は、米国の雇用統計が市場予想を上回る雇用の伸びを見せたことを受けて、利回りが上昇した。米FRB(連邦準備制度理事会)の一部高官によるタカ派的発言も利回りの上昇を促した。ジャクソンホール会議にかけても利回りは再び上昇したが、同会議ではジェローム・パウエルFRB議長が同中銀による利上げ時期が先送りされる可能性を示唆した。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.024%上昇の0.21%、10年物で同0.087%上昇の1.31%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年7月

7月の米国債市場ではイールドカーブがブル・フラット化した。FOMC(連邦公開市場委員会)の会合は大した材料とはならなかったが、資産買入れに関するフォワード・ガイダンスが若干変更され、同委員会の目標に向けて進展がみられたとの見方が示された。ただし、テーパリング(量的緩和の漸進的縮小)の開始に必要な「一段の大幅な進展」には依然至っていない。月末の米国債利回りは5年物指標銘柄で前月末比0.20%の低下、10年物指標銘柄で同0.25%低下の1.22%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年6月

6月の米国債市場では短期債がアンダーパフォームし、イールドカーブがフラット化した。米FRB(連邦準備制度理事会)がよりタカ派寄りのスタンスに転換したことを受けて、米国債のイールドカーブは月半ばに大きくフラット化した。とりわけ、FOMC(連邦公開市場委員会)メンバーの金利予測の分布をチャート化した「ドット・プロット」の中央値によると、前回3月分で利上げが予測されていなかった2023年において、足元では2回の利上げが示唆されている。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.107%上昇の0.25%、10年物で同0.127%低下の1.47%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年5月

5月の米国債利回りは比較的狭いレンジでの動きとなった。コモディティ価格の上昇や米国の総合CPI(消費者物価指数)およびPPI(生産者物価指数)上昇率の大幅加速を受けて、インフレ懸念が再燃した。4月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録では、FRB(連邦準備制度理事会)が資産購入の縮小について間もなく協議を開始する可能性があることが示唆された。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.019%低下の0.143%、10年物で同0.032%低下の1.596%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年4月

4月の米国債利回りは安定化した。米国の国内経済指標が景気加速を確認する内容となりインフレ指標も市場予想を上回ったにもかかわらず、債券利回りは低下基調に転じた。米FOMC(連邦公開市場委員会)の声明では、金融政策の方向性に関する新たな変更は発表されなかったが、経済見通しについてはより明るいトーンが示された。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.001%低下の0.161%、10年物で同0.115%低下の1.628%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年3月

3月の米国債市場ではイールドカーブのスティープ化が一層進んだ。米国で国内の経済指標が予想を上回る好調さを見せたこと、1.9兆米ドルの景気対策パッケージが議会で可決されたこと、新型コロナウイルスの日次感染率が低下するなかでワクチン接種率が上昇したことを受けて、市場では向こう数四半期における経済成長の加速の織り込みが進んだ。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.032%上昇の0.162%、10年物で同0.335%上昇の1.742%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年2月

長らく低迷してきたインフレが再加速する可能性を受けて、2月の米国債利回りは大幅に上昇した。米国の好調な経済指標、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンに関するポジティブな動向、米国の財政支出拡大見込みが重なり、インフレ懸念の高まりを招いた。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.019%上昇の0.13%、10年物で同0.34%上昇の1.41%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年1月

1月の米国債市場はイールドカーブがスティープ化した。米国の財政支出拡大見込みを受けて、米国債利回りは年初に急上昇した。月後半には、米国株式市場のバリュエーションが高水準にあることやCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチン接種が一様には進んでいないことに対する懸念から、市場でリスク回避志向がある程度強まった。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年12月

12月の米国債市場では、イールドカーブがややスティープ化した。月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.027%低下の0.122%、10年物で同0.075%上昇の0.915%となった。当月は、欧州(特に英国)におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染者数の増加や米国の財政出動に関する不透明感をめぐって、投資家の懸念が強まった。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年11月

11月の米国債市場ではイールドカーブがフラット化した。米国大統領選挙後、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンの良好な臨床試験結果を受けて投資家心理が回復したことから、リスク資産市場は上昇した。その後、欧米におけるCOVID-19感染者数急増のニュースを受けて当面の景気悪化リスクが強まったため、米国債利回りは月上旬の上昇分を一部吐き出した。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.006%低下の0.149%、10年物で同0.034%低下の0.841%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年10月

10月の米国債は利回りが上昇した。当月は、米国の大統領選挙と財政出動策がニュース見出しと市場の注目点となった。米国や西欧諸国におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大ペースの加速をめぐる懸念や後者におけるロックダウン(都市封鎖)の再実施を受けて、利回り上昇圧力は一部相殺された。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.026%上昇の0.155%、10年物で同0.19%上昇の0.875%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年9月

9月の米国債利回りは狭いレンジで推移した。欧州におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行第2波、米株式市場のボラティリティの高止まり、追加財政出動をめぐる合意形成の難航継続などの要因が市場センチメントの重石となった。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.003%低下、10年物で同0.021%低下した。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年8月

8月の米国債市場ではイールドカーブがスティープ化した。債券利回りは当初狭いレンジで推移したが、月半ばには米国の7月のインフレが加速したことと米財務省が国債の定例入札で大幅な発行増額を発表したことを受けて急上昇し、インフレの加速予想からより長期のゾーンの利回りが押し上げられた。最終的に、月末の米国債利回りは2年物が前月末比0.025%上昇の0.132%、10年物が同0.177%上昇の0.706%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年7月

7月の米国債市場は非常に小幅なレンジで推移し、イールドカーブがよりフラット化して月を終えた。月初に発表された米国や中国の経済指標は良好な内容となった。しかし、米国は国内のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大を受けて景気回復が失速したとの懸念が強まった。米中間の緊張が高まったことや、米連邦議会で新たな景気刺激策パッケージをめぐる対立が続いたこともあり、米国債利回りは低水準での推移が続いた。最終的に、月末の米国債利回りは 2年物が前月末比0.043%低下の0.107%、10年物が同0.128%低下の0.529%となった。

アジア債券という投資機会

-現在の未曽有の局面において利回り・分散を探求するには-
本レポートは、独立資産クラスとしてのアジア債券への配分がポートフォリオの投資リターンを大きく向上させ得るという当社の考えをまとめたものだ。当社では、アジアの現地通貨建て債券と米ドル・ハードカレンシー建て債券の両方またはいずれかへの投資が、投資家に以下のような恩恵をもたらし得るとみている。

-成長が速く大規模でありながら見逃されているアジア地域の経済に投資
-より高い利回りとより大きいスプレッド
-より優れたリスク調整後パフォーマンス

アジア債券 Monthly Outlook 2020年6月

米国債市場は概ね前月末と変わらない利回り水準で月を終えた。月初は、香港の新たな国家安全維持法に対するドナルド・トランプ米大統領の対応や、米国および中国で発表されたポジティブな経済指標を受けて、リスク・センチメントが高まった。米FOMC(連邦公開市場委員会)が景気の回復について慎重なトーンを示すと、米国債利回りは低下に転じた。月末にかけては、市場センチメントは経済活動再開への楽観ムードとCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大第2波への懸念とのあいだで揺れた。最終的に、月末の米国債利回りは2年物が前月末比0.013%低下の0.15%、10年物が同0.003%上昇の0.66%となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年5月

米国債は、利回りが引き続き低水準のレンジ内で推移しながら、パフォーマンスが満期ゾーンによってまちまちとなった。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年4月

3月にボラティリティが極度に高まった米国債は、4月は比較的狭いレンジ内での推移となった。経済指標の低迷や原油価格のかつてない乱高下を受けて、債券利回りは低水準にとどまったが、米FRB(連邦準備制度理事会)による景気支援策や経済活動再開に対する楽観ムードが、金利押し下げ圧力を一部相殺した。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年3月

3月の米国債は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大による恐怖や不安が市場を覆うなか、月を通じて利回りが乱高下するボラティリティの高い動きを見せた。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年2月

2月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界経済への影響をめぐる懸念が強まり投資家心理が悪化するなか、米国債市場は上昇した。

アジア債券 Monthly Outlook 2020年1月

1月は、米国・イラン情勢の緊迫化を受けた地政学的リスクの高まりや新型コロナウイルスの流行をめぐる懸念が高まるなか、市場センチメントが低迷した。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年12月

12月の市場センチメントは、米中間で暫定的な貿易協定が順調に1月に署名されるとの期待が高まったことから、ポジティブなムードとなった。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年12月

11月の米国債市場は、貿易面での楽観ムードを受けて月初に利回りが上昇した。

インサイド・ストーリー:ヘルスケア・セクターにおける 「フューチャー・クオリティ」企業の発掘

日興アセットマネジメントのグローバル株式チームでは、投資哲学の中心を企業における「フューチャー・クオリティ」の探求に置いている。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年11月

10月は、中国と米国が貿易協定の「第1段階」について暫定的な合意に達したとのニュースを受けて、市場のリスク・センチメントが一段と改善した。また、ハード・ブレグジット(英国がEU離脱を同連合との合意なしに強硬的に行うこと)の確率が低減されるとともに、米FRB(連邦準備制度理事会)が予想通り今年3度目となる利下げを実施した。このような環境下、米国債は最終的に利回りが上昇し、10年物が1.69%で月を終えた

人民元建て債券市場-確実視される成長

2017年に開催された中国共産党第19回全国代表大会で、習近平国家主席は「中国は世界への扉を閉ざすことはなく、市場開放を進めるのみである」と述べた。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年10月

9月の米国債市場は、投資家のリスク選好意欲が再び高まったことから利回りが上昇した。当初、米中貿易問題における展開をきっかけとして回復したリスクオン・ムードは、その後、世界の主要中央銀行が追加金融緩和を実施したことで支えられた。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年9月

8月の米国債市場は価格が上昇した。月初は、米中間の貿易をめぐる緊張の高まりと人民元の下落を受けて、リスク資産市場が概して下落した。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年8月

7月は、好調な米国経済指標を受けて、将来予想される米FRB(連邦準備制度理事会)の利下げの度合いに対する市場の期待が後退したことに伴い、米国債利回りが上昇した。

銀行規制とクレジット・リサーチの価値

EU(欧州連合)の銀行規制は、関わる利害関係者の数が多く、一方からは欧州議会および欧州委員会が、もう一方からは各国の議会および規制当局が力を及ぼそうとする結果、非常に複雑なものとなっている。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年7月

6月の米国債市場は価格が上昇した。月初、経済指標が雇用拡大ペースの減速を示したのに加え、貿易に関して悲観的なムードが広がったことから、米国債利回りは押し下げられた。

豪RMBS:ポートフォリオ利回り向上の手段

オーストラリアのRMBS(住宅ローン担保証券)は、一貫したインカム創出を伴う高格付け資産である。この証券を目にした時にすぐに思い浮かぶ疑問は2つある。どれくらいのリスクがあるのか、そしてどのようにプライシングされるべきかということだ。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年6月

5月、米中貿易緊張がエスカレートするなか、米国債は買われた。貿易に関するネガティブなニュースや米国、日本、ドイツの低調なPMI(購買担当者景気指数)が、米国債利回りを押し下げた。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年5月

4月の米国債市場は利回りが上昇した。当初、利回り上昇を引き起こしたのは、米国の堅調な雇用統計と欧州の一部における鉱工業生産の回復だった。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年4月

3月は、先進国の中央銀行が明らかにハト派に転換したことから、世界的に債券高となった。米FRB(連邦準備制度理事会)が急激にハト派化したことをきっかけに、米国債市場もイールドカーブ全体にわたって急上昇した。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年3月

2月はリスク資産市場が値を上げるなか、米国債利回りが上昇した。米FRB(連邦準備制度理事会)議長の発言や米中閣僚級貿易協議の進展を受けて、ポジティブな投資家心理が持続した。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年2月

1月の米国債市場は上昇した。中国での追加緩和政策や米FRB(連邦準備制度理事会)のハト派的発言などから市場に再び楽観ムードが広がった。FRBは政策金利を据え置き、追加利上げを休止する可能性を示唆した。

グローバル投資委員会(GIC)による2019年の展望: 楽観的な見方ながらもその度合いは後退

9月に行ったミーティング以降にかなり多くの展開が発生した。主なものは地政学的材料を主因とする原油価格の予想外の急落、米中貿易とブレグジット(英国のEU離脱)における衝突のさらなる悪化、世界経済に散見された減速の兆しであった。

2019年アジア・クレジット市場見通し

2019年のクレジット市場パフォーマンスにとって、アジア各国のマクロ経済環境はほぼ中立だろう。主要国のGDP成長は緩やかに減速するが、ハードランディングのシナリオの実現はないと考える。

2019年先進国市場見通し

「眼前の恐怖も想像力が生み出す恐怖ほど恐ろしくはない」とはシェイクスピアの言葉。2018年の終盤は、それまで2桁のリターンを生み出していた株式市場が損失に転じ、金利の急激な上昇、そして、世界二大経済大国間を巡る緊張の高まりを認識する状況となった。

2019年新興国市場見通し

第1四半期は好調だった新興国市場債券だが、残りの2018年は厳しい時期となった。この資産クラスのすべての主要なセグメントが年末には米ドル建てでマイナスの領域に突入する可能性は大きい。

2019年グローバル・クレジット市場見通し

グローバル・クレジット市場は、2018年年初の予想通りにはパフォームせず、多くの投資家を落胆させた。過去数ヶ月間を徹底的にレビューし、2019年に進むべき道筋を示す。

アジア債券 Monthly Outlook 2019年1月

12月の米国債市場は、様々な要因によってリスク資産が圧力に晒され「安全資産」買いが起こるなか、利回りが低下した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年12月

11月の米国債市場は上昇した。月中、米国株式市場が不安定な動きを見せたのに伴って利回りが低下した。米中の貿易交渉における対立のニュース、中国の経済指標の低迷、世界的な原油価格の急落が、利回りを一段と押し下げた。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年11月

10月初めの米国債市場は、景気の加速を示す米国経済指標やジェローム・パウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長のタカ派的発言に反応し、利回りが急上昇した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年10月

9月の米国では、FRB(連邦準備制度理事会)が0.25%の利上げを実施した。同金融当局は、政策金利が「緩和的」であるとの文言を声明から削除するとともに、今年および来年の経済成長率予想をやや引き上げた。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年9月

8月の米国債市場ではイールドカーブがフラット化した。9月に米FRB(連邦準備制度理事会)が利上げを行うとの予想から短期債の利回りが上昇する一方、中長期債の利回りは低下した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年8月

7月の米国債市場は利回りが上昇した。米中間では貿易をめぐる緊張が根強く続いたが、米欧間では双方が貿易障壁の削減を発表したことから貿易戦争のリスクが低下した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年7月

6月の米国債市場はイールドカーブがフラット化した。米FRB(連邦準備制度理事会)は0.25%の利上げを実施したが、それに伴う声明においてタカ派色が増したため、短期金利が上昇した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年6月

5月の米国債市場は利回りが低下して月を終えた。米国の雇用統計が堅調な内容となったことを受けて、米国債利回りは上昇傾向が強まった。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年5月

4月の米国債市場は急落し、イールドカーブ全体にわたって利回りが0.10~0.24%程度上昇した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年4月

3月の米国債市場は、比較的狭いレンジでの推移となるなか、イールドカーブがブル・フラット化し、短期債の利回りが上昇する一方で中長期債の利回りが低下した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年3月

2月の米国債市場は、同国の経済指標が景気の加速を示したことから一段と売り込まれ、イールドカーブ全体にわたって利回りが上昇した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年2月

1月は、原油価格が一貫して上昇したこと、また先進国の中央銀行が金融緩和措置の巻き戻しを始めるとの憶測が広がったことから、米国債利回りが急激に上昇した。

アジア債券 Monthly Outlook 2018年1月

広く予想されていた通り、米FRB(連邦準備制度理事会)は12月、政策金利を0.25%引き上げて年内3度目となる利上げを実施し、また2018年のGDP成長率予想についても上方修正した。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年12月

11月の米国債市場は下落した。月の初めは、米FRB(連邦準備制度理事会)の次期議長にジェローム・パウエル理事が指名されたことが好感され、債券利回りが低下した。

中国の対アセアン直接投資の台頭

過去2年、アセアンには中国からの海外直接投資による資金流入が大幅に増加している。当社はこの傾向が続くものと予想しており、中国がアセアン地域に対して(経済面でも地政学面でも)及ぼす影響は、時と共に拡大していくことになるだろう。一方、中国の海外直接投資の台頭はアセアンにとって、インフラ開発や更なる市場開放といった分野を中心に、多大なる恩恵をもたらす。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年11月

10月の米国債市場は下落した。共和党が提出した2018 年度予算決議案が米国上院で可決されたことを受けて、経済成長率およびインフレ率の上昇見通しが強まった。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年10月

9月の米国債市場は下落した。米FRB(連邦準備制度理事会)の12 月利上げ観測や、トランプ政権の税制改革法案が議会で可決される可能性が下落要因となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年9月

8月は米国債市場が小幅に上昇した。北朝鮮情勢が緊迫化したことや、米FRB(連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)が今後の金融政策の方向性を示さなかったことから、米国債利回りに低下圧力がかかった。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年8月

7月の米国債利回りは、米国のインフレ指標の軟調さ、米FRB(連邦準備制度理事会)のハト派的な発言、ECB(欧州中央銀行)が秋に金融政策を方向転換する見通しを受けて、概ね横這いで推移した。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年7月

米国債利回りは、6月の大半においてレンジ内で推移したのち、月末の数日間で急上昇した。米FRB(連邦準備制度理事会)は、インフレ指標の軟調さにもかかわらず、政策金利を0.25%引き上げた。米国債10年物の利回りは2.30%で月を終え、前月末比で0.10%の上昇となった。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年5月

米国では、予想を上回る雇用統計や景気に対してより有望なFOMC(連邦公開市場委員会)声明が経済の好材料と受け止められたものの、国政を巡る不透明感によって相殺された。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年4月

4月の米国債10年物の利回りは2.28%で月を終え、前月末比で0.11%の低下となった。当月は、強弱両様の経済指標や地政学情勢の緊張の高まりが市場センチメントを左右した。

アジア債券 Monthly Outlook 2017年3月

3月の前半は、米FRB(連邦準備制度理事会)によるタカ派寄りの発言、堅調な米雇用統計、ECB(欧州中央銀行)によるQE(量的緩和)縮小の可能性を受けて、米国債利回りが上昇した。

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